インスタント緑茶と粉末緑茶の違いとは?製法と栄養価から解説

自宅やオフィスで緑茶が飲みたいけれど、茶葉から淹れるのは少し面倒…そんな時に便利なのが、粉末状になっている緑茶です。

お湯で溶かすだけですぐに飲め、茶殻のゴミも出ないので、手軽に緑茶を楽しめます。

ところで、インスタント緑茶と粉末緑茶は同じものだと思っていませんか?この記事では、インスタント緑茶と粉末緑茶の違いについて解説します。

Contents

インスタント緑茶と粉末緑茶の違いは?

インスタント緑茶と粉末緑茶で、最も大きな違いは2点あります。それは、製造方法と栄養価です。

インスタント緑茶 粉末緑茶
製造方法 一度抽出した緑茶を乾燥させ、顆粒・粉末状にする。主にスプレードライ製法が用いられる。 煎茶の茶葉そのものを砕いて粉末にする。
栄養価 カテキンやテアニン、ビタミンC等、水溶性成分しか摂取できない。 カテキン等の他、食物繊維やビタミンEなど不溶性成分まで、茶葉の栄養素を丸ごと摂取できる。

製造方法が違うことによって、粉末緑茶の方が栄養価の面で優れているのです。

インスタント緑茶とは?

まずはインスタント緑茶がどのようなものなのか詳しく解説していきましょう。

インスタント緑茶の製造方法

インスタント緑茶は、一度抽出した緑茶を乾燥させ、顆粒・粉末状にしたものです。

インスタントコーヒーと同じ製法で、一度液体化したものを固形化しています。

・スプレードライ(噴霧乾燥)製法

高温の乾燥塔の中で濃縮された緑茶の抽出液を霧状に吹き出し、瞬間的に水分を蒸発させ、微細な粉末状にします。

販のインスタント緑茶のほとんどが、スプレードライ製造によるものです。

・フリーズドライ(凍結乾燥)製法

濃縮された緑茶の抽出液を低温で凍結させ、砕いて真空状態で乾燥させます。

通常の乾燥では、水分は「蒸発」により除去されます。しかし、フリーズドライ製法では、凍結したまま固体から液体に変わる「昇華」という形で水分が除去されるのです(※1)。

すると氷の結晶があった部分が空洞となり、スプレードライ製法に比べ大きな粒子となります。

低温で乾燥されるため成分変化が少なく、香り豊かで色も鮮やかです。

※1日本エフディ株式会社
「凍結乾燥(フリーズドライとは)」

インスタント緑茶の製品特徴

インスタント緑茶は、冷水でも粉末が残らず、完全に溶けるのが特徴です。利便性が高いので、給茶機で使用されています。

また、固形化するために、デキストリン等のデンプン原料が添加されています。ビタミンC等の酸化防止剤が添加されていることが多く、長期保存が可能です。コストは粉末緑茶に比べてやや高めとなっています。

インスタント緑茶の栄養

抽出した緑茶なので、カテキンやテアニン、ビタミンCといった水溶性の栄養成分はある程度摂取することができます。しかし、茶葉そのものを粉末にした粉末緑茶に比べ、摂取できる栄養成分は少なくなるのです。

ちなみに、緑茶を急須で淹れると、茶葉に含まれているカテキンの30%程度が抽出されますが、あとの成分は茶葉に残ったままになります。

しかし、メーカーによっては、カテキンを豊富に含む品種を使用したり、抹茶を入れたりと栄養と味わいを強化した商品も販売中です。

粉末緑茶との見分け方

インスタント緑茶か粉末緑茶化はパッケージの表示で見分けることができます。

商品名に「インスタント緑茶」と明記されているので、店頭で確認してみましょう。

粉末緑茶とは?

次に粉末緑茶についても、どのようなものなのか詳しく解説していきましょう。

粉末緑茶の製造方法

粉末緑茶は、一般的によく飲まれている普通の緑茶(煎茶)を、粉砕機で砕いて粉末にしたものです。

粉末緑茶の製品特徴

茶葉そのものなので溶けることはありません。水と一緒に混ざり合うだけです。

添加物は使用していません。そのため時間の経過とともに香りが飛びやすく、色も褪色してきます。粉末は茶葉(リーフ)に比べて「光、空気、熱、湿気」の影響を受けやすくなりますので、きちんと保存するのが大切です。

緑茶そのものなので、高温多湿を避け、開封後はしっかり蓋をして冷暗所で保管します。

冷蔵庫に入れると、結露が発生して劣化するリスクが高まります。もし冷蔵庫に保管する場合は、出してから室温で半日程度置いて、常温に戻してから開封すると良いでしょう。

また、カテキンは紫外線に弱いので、透明容器ではなく黒い茶筒に入れるのがおすすめです。

粉末緑茶の栄養

茶葉をそのまま粉末にしているので、抽出した緑茶に比べ、栄養素を効率よく摂取できます。

急須でお茶を淹れた後の茶葉には、抽出し切れなかったカテキン等の栄養素が残っています。しかし粉末緑茶なら、カテキンやテアニンなどの成分を無駄なく摂取することが可能です。

さらに、茶葉に含まれる食物繊維やビタミンA、ビタミンEといった不水溶性の栄養素まで丸ごと摂れます。健康効果に優れているため、日常的に飲むお茶としておすすめです

インスタント緑茶と粉末緑茶の違いは製法と栄養価!

インスタント緑茶と粉末緑茶の違いは、製法と栄養価にあります。健康効果を重視するなら、緑茶の栄養成分を余すところなく摂取できる粉末緑茶を選ぶと良いでしょう。

インスタント緑茶は、お湯でも水でも完全に溶け、長期保存が可能という利便性の高さが魅力です。

各メーカーで様々な商品が販売されているので、好みのものを探す楽しみもありますね。

ご自身のライフスタイルに合わせて選び、毎日の生活に緑茶を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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