ひとくちに「緑茶」といっても、様々な品種があるのをご存知でしょうか?
よく知られているのが「やぶきた」で、お茶の産地で有名な静岡を中心に栽培されています。
一般的に販売されている緑茶は「やぶきた」が多いのですが、その他にも「ゆたかみどり」や「さやまかおり」「かなみどり」など様々な品種があります。
様々な緑茶の品種のなかでも、最近注目されているのが「べにふうき(紅富貴)」です。
アレルギーを抑制する効果があり、粉末緑茶にするとおいしい品種です。
今回はこの「べにふうき」について詳しくご紹介します。
どのように作られたかやその特徴、効果など詳しく見ていきましょう。
Contents
1.「べにふうき」は紅茶をかけあわせて作った品種
「べにふうき(紅富貴)」は、1993年に野菜茶業研究所で作られた品種ですが、登録された当初は緑茶ではなく「紅茶・烏龍茶系品種」として登録されています。
というのも、もともとべにふうきは「紅茶用のお茶」としてアッサム系の紅茶「べにほまれ」とダージリンを交配してつくられたものです。
べにふうきが作られた時代は、紅茶の輸入が今までなかった時代で、国内で生産するために新しい品種がつくられました。
その後、紅茶の輸入が自由化されて、安くて品質も高い海外の紅茶が主流になってしまい、べにふうきが紅茶として流通することはありませんでした。
紅茶用のべにふうきは、そのままで飲むと渋みや苦味が強いため、粉末緑茶にして飲みやすくして販売されていることが多いです。
2.「べにふうき」の特徴
「べにふうき」は、栽培時に使われている農薬が少ないという特徴があります。
もともと虫の害や病気に強い品種で、農薬をあまり使わずに育てることができるからです。
また、紅茶用として開発されて実際にはほとんど流通しなかった「べにふうき」ですが、緑茶として飲むことで「メチル化カテキン」という物質が発生して、アレルギー抑制に効果があることがわかりました。
このメチル化カテキンは「やぶきた」など他の多くの緑茶には含まれていないため、「べにふうき」が注目される理由となっています。
このメチル化カテキンは、茶葉を発酵させると失われてしまうためその効果を期待する場合紅茶ではなく緑茶で飲むのがおすすめです。
3.「メチル化カテキン」はアレルギーに効果的
【花粉症を和らげる?緑茶のアレルギー効果と1つの品種】でも詳しくご紹介していますが、「べにふうき」のアレルギー抑制効果は最近とても注目されています。
特にアレルギー抑制効果が注目されている成分が先ほどもご紹介した「メチル化カテキン」です。
花粉などのアレルギー物質が「目」「鼻」「口」から入ると、アレルゲンから身体を守るために抗体をつくり、「くしゃみ」や「鼻水」などでアレルゲンを体外に排出しようとします。
これらの反応が過剰に起きてしまった状態が花粉症ですが、「メチル化カテキン」はこの反応の元となる抗体の発生を抑制したり、反応の発生を抑制したりして、花粉症の症状を抑制してくれます。
4.「べにふうき」のデメリット
アレルギーに効果的で、農薬もあまり使わなくても育てられるメリットが多い「べにふうき」ですがデメリットもあります。
先ほども少し触れましたが、もともと紅茶用に作った品種なので、苦味や渋みが強いという点です。
粉末緑茶にすることで和らいで飲みやすくなりますが、それでも苦手という方は緑茶ラテにしたり、はちみつを入れて「はちみつ緑茶」にしたりすると飲みやすくなります。
すりおろしたショウガをほんの少し(耳かき1杯くらい)を入れた「しょうが緑茶」も、苦味を和らげてからだを温めてくれるのでおすすめです。
まとめ
紅茶として開発された「べにふうき(紅富貴)」は、緑茶として飲むことでアレルギー抑制効果があることがわかり注目されています。
他の緑茶に比べ農薬も少なく栽培できる品種なので、その点でも安心して飲むことができます。
少し苦味があるので粉末緑茶になっているタイプを選ぶと飲みやすいです。
粉末緑茶でも苦いと感じる場合は、牛乳やはちみつ、しょうがなどとブレンドすると飲みやすくなります。
アレルギー抑制効果は、薬のように1杯飲んですぐ効果が出るわけではありません。
毎日継続して飲み続けることが大切です。
花粉症の症状を和らげたい方は、花粉症の時期が始まる少し前から飲み始めるのをおすすめします。