緑茶の産地別の特徴とは?日本三大産地・日本三銘茶の違いとは

お茶屋さんに行くと、緑茶は産地の名がついて販売されているのをよく見かけるのではないでしょうか。緑茶は産地別に売られていることが多いのです。

自分に合ったおいしい緑茶を手に入れるには、産地別に違う緑茶の特徴をよく知っておく必要があります。

そこで、今回は主な緑茶の産地別に特徴を解説します。お茶を選ぶ前に参考にしてみてください。

Contents

1.緑茶の日本三大産地とは?

緑茶には「日本三大産地」として有名な場所があります。それは、静岡県・鹿児島県・三重県です。

これは日本の緑茶の生産量ランキングの上位3位となっています。国産のお茶はほとんどこの3県で生産されているといってもよいでしょう。

産地別にそれぞれ特徴は異なっています。

1-1.日本三大産地①静岡県

静岡県には「お茶の産地」というイメージが既にある方も多いのではないでしょうか。日本でもっとも緑茶を生産している県で、国内の4割程度のお茶は静岡県で生産されているのです。

川根茶、掛川茶、沼津茶……など、数々の銘柄茶があります。とくに深蒸し茶の生産が盛んです。

深蒸し茶とは、通常よりも蒸気を多く使い、時間をかけて深く蒸したお茶のことを指します。静岡県でよく飲まれており、渋みを抑えた甘みのある味わいが特徴です。

1-2.日本三大産地②鹿児島県

鹿児島県は全国で2番目のお茶の産地です。

全体的に豊かなうまみと濃厚なコクを持っているのが特徴です。鹿児島県内で栽培されている品種が多いこともあり、さまざまな種類のお茶を楽しめます。

4月の一番茶から10月の秋冬番茶まで出荷時期の切れ目がないので、年間を通じておいしいお茶が楽しめるのもポイントです。

1-3.日本三大産地③三重県

三重県は静岡、鹿児島に次ぐ全国で3番目の産地です。

有名な銘柄茶は伊勢茶です。伊勢茶は厚い葉肉を持つのが特徴で、濃厚な味わいで3煎目まで味や香りの変化がほとんどありません。

ちなみにかぶせ茶(冠茶)の生産量は全国1位を誇っています。茶の木に直接遮光幕をかけるという栽培方法で、うまみを増やす栽培方法です。

2.緑茶の日本三銘茶とは?

「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」という歌があり、静岡茶・宇治茶・狭山茶の3銘柄は日本三銘茶として有名です。

それぞれの銘柄について、特徴を解説していきます。

2-1.日本三銘茶①静岡茶

静岡茶は生産量も日本一であり、名実ともに日本を代表するお茶です。

静岡茶は静岡県全体のお茶を包括するブランド名であり、実際にはより産地を限定した地域ブランドが存在します。

香りも味も濃厚な川根茶、味は濃いけどさっぱりした香りの掛川茶など、産地によっても味が異なるのです。

2-2.日本三銘茶②宇治茶

宇治茶の産地である宇治田原は、緑茶発祥の地と言われています。宇治の地から、日本の緑茶の歴史はスタートしたのです。

宇治茶は最初こそ渋みを感じるのですが、甘さやコクが後から追いかけてきます。最初は苦いのに、後味は甘いのが宇治茶の特徴です。

京都・奈良・滋賀・三重でとれた茶で、京都府内業者が府内で仕上加工したものでなければ「宇治茶」と呼べないという決まりがあり、ブランドをしっかり守っています。

2-3.日本三銘茶③狭山茶(さやまちゃ)

狭山茶は埼玉県西部、東京都西多摩地域を中心に生産される銘柄です。

厚みのある茶葉と「狭山火入れ」という独特の焙煎方法が特徴で、濃厚な甘みを持っています。たくさん茶葉を使わなくても、しっかりと味が出るのも特徴です。

ただ狭山茶は生産量が少なく、地産地消で終わってしまい、全国的に多く流通はしていません。

狭山茶を味わうには、現地で直接購入したり、ネットで購入するしかないのが現状です。

3.まだまある!日本で有名な主な緑茶の産地

日本三大産地、また日本三銘茶をご紹介してきましたが、日本のお茶どころはこれだけではありません。

まだまだある日本のお茶どころを紹介していきましょう。

3-1.八女茶(福岡県)

八女茶は福岡県八女市、筑後市および八女郡広川町でつくられるお茶のブランド名です。

生産量は国内6位ですが、伝統本玉露の生産量が日本一です。そのため、日本有数の高級茶の産地として知られています。

甘みがあってコクがあり、うまみが強いのが特徴です。

3-2.嬉野茶(佐賀県)

嬉野茶は佐賀県嬉野市、長崎県東彼杵町などの地域で生産されるお茶のブランド名です。

釜炒り茶が有名ですが、現在は蒸して加熱するお茶が主流になっています。茶葉は丸みを帯びており、ツヤがあります。日本茶の中ではかなりユニークなお茶です。

飲んでみると香りがよく、だし汁のような濃いうまみを感じます。

3-3.宮崎茶(宮崎県)

宮崎茶は宮崎県でとれるお茶のブランド名です。

全国第4位の生産量を誇っており、日本国内でも有数の緑茶産地となっています。

アミノ酸やカテキンが多く含まれており、ほどよい渋みと濃いうまみが共存するコクのある味わいが特徴です。

3-4.大和茶(奈良県)

大和茶は奈良県大和高原などで生産されているお茶のブランド名です。

全国第6位の生産量を誇っており、実際は産地ごとに細かく地域ブランド(月ヶ瀬茶、田原茶、柳生茶など)が分かれています。

渋みの中にうまみがある奥深い味わいですが、後味はすっきりとしているのが特徴です。

4.産地ごとに違う緑茶の味を楽しもう

同じ緑茶でも、日本中にはたくさんの銘柄茶が存在します。

この記事では有名な銘柄のみを紹介しましたが、まだまだ日本中においしいお茶を生産している産地は数多くあるのです。

ぜひいろいろな地域のお茶を飲み比べてみて、違いを楽しんでみてください。

各地のお茶の特徴を知ることで、より自分のお気に入りの一杯を見つけやすくなるだけでなく、違いを楽しむことでより豊かなティーライフが送れます。

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